大阪 iPhone11 Pro Max リンゴループ 基板修理|データ重視の診断結果【修理不可事例】
大阪 iPhone11 Pro Max リンゴループ 基板修理 の修理不可事例
大阪 iPhone11 Pro Max リンゴループ 基板修理 をご検討中の方から、「ゲーム中に突然電源が落ちてから起動しない」というご相談をいただきました。今回のケースでは、最終的にデータを残したままの復旧が不可能と判断せざるを得ず、診断結果と作業工程をできるだけ分かりやすくまとめています。
大阪市内からのご来店とリンゴループの症状
お客様からお伺いした状況は次の通りでした。朝の時点でバッテリー残量が九十パーセントある状態でゲームをしていたところ、突然端末の電源が落ち、その後はAppleロゴが表示されては消えるリンゴループを延々と繰り返し、ホーム画面まで一切進めないという症状です。
iPhoneのリンゴループは、単なるソフトウェアの不具合で解決できる軽症のケースから、今回のように基板レベルの重度故障まで原因が幅広く存在します。そのため、表面的な症状だけで自己判断せず、段階的な診断が重要になります。
今回のご依頼内容のまとめ
- 機種名: iPhone 11 Pro Max
- 修理内容: 基板修理によるデータ復旧を目的とした診断(最終的に修理不可)
- 初期症状: リンゴループ(Appleロゴが表示されては消える起動不良)
- 故障のきっかけ: 自然故障(ゲーム中に突然電源が落ち、その後リンゴループ)
- ご依頼方法: 大阪市内からご来店
- 作業時間: 丸一日
- 修理料金: 税込 3,300円(調査費用)
※調査の結果、復旧が可能だった場合は、調査費用は修理料金に内包され、別途ご請求することはありません。修理不可の場合、およびお客様都合によるキャンセル時のみ調査費用が発生します。
※この記事に記載の料金は記事公開時点の一般のお客様向け料金であり、今後変更となる可能性があります。最新の料金は店舗までお問い合わせください。

初期診断 ソフトウェア異常か基板故障かの切り分け
まず、ソフトウェア異常か基板故障かを切り分けるために、専用ツールを使用してPCに接続し、リカバリーモードへの移行やログの取得を試みました。一般的には、iTunesやFinderの画面から復元やアップデートを行うことで改善するケースもあります。Apple公式のサポート情報にも、復元手順が詳しく掲載されています。
しかしながら、本件の端末ではリカバリーモードに入ることができず、DFUモードには移行できるものの、通常のソフトウェア修復アプローチでは改善が見込めない状態でした。この時点で、ロジックボード上のストレージICや電源ラインなど、ハードウェア側のトラブルの可能性が濃厚と判断しました。
お客様からは「何としてもデータを残したい」というご要望を強くいただいていたため、データが完全に消失する可能性が高い初期化や一部の強制的な修復処理はあえて行わず、データ保護を最優先とした方針で検査を進めています。
分解と外部パーツの切り分け検査
次に、本体内部の状態を確認するため、iPhone 11 Pro Maxを慎重に分解しました。

まず、本体を開き、バッテリーやディスプレイ、各種センサー、スピーカー、ドックコネクタなど、ロジックボード以外の周辺パーツを順番に切り離しながら動作を確認しました。水没や外部パーツのショートが原因の場合、この段階でリンゴループが改善に向かうこともあります。
しかし、バッテリーやディスプレイ、フロントセンサーなどを取り外した状態でも症状は変わらず、外部パーツ側ではなくロジックボード本体に問題がある可能性がさらに高まりました。外観上の腐食や焼損も見られず、一見すると大きな異常はない点も、基板内部の重度故障を疑う材料となります。
マザーボード単体での詳細点検とCPU・NAND周辺のチェック
次に、ロジックボード単体での診断に移行しました。iPhone 11 Pro Maxのロジックボードは二層構造になっており、いわゆる二階建ての形で実装されています。

温度管理のできる専用治具に基板を固定し、電源ラインや主要IC周辺の抵抗値を計測しながら、顕微鏡でパターンのクラックやパッド剥離がないかを確認しました。電源回路に大きなショートは見られず、外観上の破損も確認できませんでしたが、CPUとNANDメモリ周辺の一部エリアで違和感のある反応が見られました。
さらに、CPUやNANDの下にあるBGAパッドを顕微鏡で拡大し、はんだボールの状態もチェックしましたが、明らかな剥離は確認できませんでした。それでも症状が改善しないことから、チップ内部の物理的損傷が進行している可能性が高いと判断しました。


ドナー基板を用いたCPU・NAND移植検証
重度の基板故障では、CPUやNANDメモリなど主要チップを、正常なドナー基板へ移植して検証する工程が有効です。そこで今回は、同一機種の正常なロジックボードを用意し、二層基板を上下に分離して検証を行いました。

まず、元のロジックボードからCPUおよび関連チップを慎重に取り外し、ドナー基板側へ移植して動作確認を行いました。通常であれば、基板側の不良であった場合、ドナー基板にチップを載せ替えることで症状が改善する可能性があります。
ところが、ドナー基板に移植した状態でもリンゴループ症状は解消されず、同様の不具合が再現されました。この結果から、基板側のパターン異常ではなく、CPU関連チップ自体が物理的にダメージを受けている可能性が非常に高いと判断せざるを得ませんでした。
その後、取り外したチップは元のロジックボードに戻し、お預かり時と同じ状態で組み戻しています。
CPUリボールやチップ移植作業のリスクについて
CPUリボールやNANDメモリ移植といった高難易度の基板修理は、一般的な修理店では対応していない作業です。そのため、多くの店舗ではお客様から端末を預かったあと、当店のような基板修理専門店に外注する形を取っています。
高難易度作業で避けられないリスク
高密度で実装されたCPUやNANDチップは、もともと熱や衝撃に弱く、故障している個体では内部構造がすでに劣化していることも少なくありません。その状態でリボールや再実装を行うと、どれだけ慎重に作業しても、チップ内部の損傷が表面化して完全に動作しなくなってしまうリスクがあります。
今回の大阪 iPhone11 Pro Max リンゴループ 基板修理 のケースでも、データを残したまま復旧を目指すには、危険度の高い工程をどう扱うかという判断が常に必要でした。データを保護するため、チップの初期化や強制復元といった工程はあえて避けていますが、その一方で、故障箇所がチップ内部そのものに及んでいる場合、どうしても復旧できない結果になることがあります。
データ優先か端末復旧優先かの選択について
技術的には、ストレージを初期化してiOSを新規インストールすることで、端末としての動作だけを回復できる可能性が残っているケースもあります。ただし、この方法を選択すると内部のデータは完全に消去されます。
お客様がデータを最優先とお考えであれば、今回のようにデータを消さない範囲でできる検査と修理だけを行い、その結果として復旧が難しければ、やむを得ず修理不可の判断となります。反対に、データは諦めてでも端末を使える状態にしたいというご希望であれば、Apple正規サービスプロバイダでの本体交換や、公式サポートに沿った初期化を検討いただくことになります。
お客様にはそれぞれの選択肢とリスクを丁寧にご説明し、ご希望に沿った方法を選んでいただくことが重要だと考えています。
同じようなリンゴループ症状でお困りの方へ
今回のiPhone 11 Pro Max リンゴループ修理では、ストレージICの物理的損傷が疑われるケースであり、データを保持したままの復旧は困難でした。ただし、すべてのリンゴループが同じ結果になるわけではなく、基板修理によって復旧できる事例も多数あります。
特に、強制初期化や自己分解を繰り返してしまうと、かえってデータ復旧の難易度が上がることがあります。症状が出た段階で、できるだけ早く基板修理専門店にご相談いただくことをおすすめします。
リンゴループの一般的な原因については、Apple公式サポートページにも案内がありますが、実際の復旧可否は端末ごとの状態によって大きく変わります。
Dr.CPUの基板修理・データ復旧について
Dr.CPUは、持ち込み修理と全国からの郵送修理で、iPhoneやiPad、Androidなどの基板修理・データ復旧に対応している専門店です。大阪近郊からのご来店はもちろん、遠方のお客様も郵送でご依頼いただけます。
修理の流れや発送方法については、以下のページで詳しくご案内しています。ケースごとに最適な提案を行っていますので、まずはお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. リンゴループになったiPhoneから、データだけ取り出すことはできますか。
A. ストレージICやCPUが致命的に損傷していない場合は、データを残したまま起動を回復できるケースもあります。ただし、今回のようにストレージ自体が疑われる場合は、データ保全と復旧可能性を慎重に見極める必要があります。
Q. 他店で修理不可と言われた端末でも依頼できますか。
A. はい、可能です。一般的な修理店では対応していない基板レベルの修理にも対応しており、他店で断られた端末が復旧した事例も多数あります。
Q. 修理期間はどのくらいかかりますか。
A. 症状や損傷レベルによって異なりますが、基板修理の場合は最短即日から数営業日が目安です。お急ぎの場合は、事前にご相談ください。
Q. 郵送での依頼はどのように行えばよいですか。
A. お申し込みフォームから必要事項をご入力いただき、端末を宅配便でお送りいただく形になります。詳細は郵送修理の流れのページでご確認いただけます。事前に不明点をお知らせいただければ、個別にご案内いたします。